審査員発言集

















トムさんいわく...  GEISAIをニューヨークに持ってこようという案がありました。  とてもクレイジーでお金も掛かり過ぎるので無理だということになってしまいました..。  ニューヨークでアートというのは、非常に階級があって、階層的になっているのですが、  こちらのGEISAIはアートのスーパーマーケットのようで、良かったと思います。  ここで面白いのは全員が同時に、自分のための作品を売り込むチャンスが平等に与えられている  という点だと思います。これが大変重要な点だと思います。つまり、「同じ文化的な瞬間を  全員に与えている」ということがおもしろいと思います。  とくに銀賞がいちばん好きでして、日本の文化の中における子供達をたいへんよく描いていて  とても素朴で、むじゃきさというものがあって良かったと思います。  思春期をテーマにしている作品がたくさんありましたし、性的な機能を描いている作品も  ありましたし、あとは、日本の現代の消費社会を描いているものが多かったと思います。  それが現代の日本を象徴しているのではないかと思いました。

ポールさんいわく...  全世界のこのような展示会の審査員を務めていますが、他とは全く違った印象を今回、受けました。  このGEISAIは、フェスティバルのような、アートフェアのような気もしますし、  一日ビーチでゆっくり過ごしたような、そんな印象ももっています。  金賞の受賞作を見て非常に感銘を受けたのですが、出品してあったのが一点のみで非常にスマートで  非常に直接的な作品だと思いましたし、どこかで簡単に見つかるような、拾ってきたような材料  だけを使ってるんですけれど、激しさも感じられましたし、非常に独特なスタイルをもった作品  だと思いました。  私はロサンゼルスの現代美術館のチーフキュレ-ターをしていまして、  個人的にもまた、美術館としても日本のアートシーンには非常に関心を持っています。  それから日本の優れたアーティストとすれば、村上隆さんであったり、奈良さんであったり、  また曽根さんであったりといった方にも大変関心を持っています。そして、世界のアートの  首都と呼べるようなところはロサンゼルス、ロンドン、ベルリンなどあると思いますが、  東京はそれに肩を並べる都市でもあるというふうに思っています。ただ、日本にはまだ欠けている  ものもあります。たとえば美術館であったり、アートギャラリ-であったとしても、アーティスト  だとしても、この最初の段階での熱意だとか熱気とかいったもの、そうしたものは非常に  あるんですけれど、ただそれを長年に渡って実質的にサポートする、アーティストにとって  非常に重要なギャラリ-であるとするためのそうしたサポートというのは欠けているのでは  ないかという気がします。ですから個々人でそれぞれが海外進出を果たさなければいけない。  そうしてしまうと、最初にあった熱意とかが薄くなったり、もしくは商業主義趣向に  変わってしまったり、ファッションショーをやらなければいけなくなっってしまったり、  もしくは子供向けの玩具を作ったりと、そういう方向に流れていってしまうのが非常に  残念な気がします。アートに必要な要素というのは日本にはすべて揃っていると思いますので、  基盤の部分というのをしっかり造っていくことが重要だと思います。

宮崎さんいわく....  (個人賞授賞作品について...)たくさん絵がある中で、その絵だけがなんか、  呼び止められた感じがしたので ちょっと特別な感じがして、「欲しいなぁ」と...。  すごい...たとえば技術がすごい、今の最先端ので、きれいに描いてるとかっていうのとかって  私はあんまりそういうの詳しくないから分からないんですけど、そうじゃなくて  なんかこうちょっと味があるっていうか、呼び止められたっていうのがあって.....。

長瀬さんいわく...  ぼく自身、ファッションてことに対して...ま、ファッション界以外の人から見たら  ものすごくファッションに見えるかもしれないんですけど、ファッションはもちろん好きだし、  自分のやっぱり、生き様じゃないですけど.... 自分の表現の手段なんですけど、  結局アイデアをもらったり考えてることっていうのは、服ではないですからね。  やっぱそれを服で表現してるってことだけなんで、同じ視点で見てます、全部。  間 ですね。 空間 。  間の取り方だったりとか、それはぼくがファッションでやる時と全く同じなんですけど、  足し算引き算のバランスだったっり、要はコンサバティブな意味ではないんですけど、  5W1Hてか、いつ誰がどこで何をどのようにどうしてるか、みたいな、それのバランス感覚  みたいなものが、すごいファンタジックな部分であったり、現実的な部分であったり、  いろんなシーンによってそれって変わると思うんですけど、そのバランス感ていう部分の  どこかがズレてると、「あ、これやりすぎ」に思えたりとか、「なんかもの足りないね」って  見えたりとか...。 新しい旧いって価値観てもうここまで飽和状態になってる時代だと、  誰の真似がどうこうとか、その服が新しいかとか、そのコーディネートが新しいかとか、  このアートどうこうっていうのってそんなに今の時代はもう飽和してると思うんで、  そういうことよりかは、自分がどのタイミングで何をどう発信してるかってことの方が  重要だとも思ってるんですよ。で、それがぼくはファッションていうよりかは  「人」なんですよ。どんな人を作ってるかっていうことの表現で、だから一番大切なのは  ぼくは「リアリティー」だし、現実のリアリティーってことよりかは色んな部分はあると  思うんですけど、ウソなものじゃなきゃなんかな...ちょっと言葉すごく言いづらいすけど。  あとはバランスで、どこを足してどこを引くかのセンス。そのために、いろんな、いっぱい  いいものを見ないといけないし、美しいものもいっぱい見た方がいいと思うしみたいな...。

妹島さんいわく....  審査会場に行くとなんかワァ-っと酸素が足りなくなるようなかんじの中を  いろんなものを見せていただいて楽しかったです。  そうそう、一つはパフォーマンスがけっこうおもしろかった。(笑)  っていうのと、動物をモチーフにする人がいっぱいいるんだなーっていうのに驚きました。  なんか、もうこの人しか出来ないんだろうなぁみたいな、そういうものっていうのが...  そういうのも時々あるんだけど、それ、物凄いなんか極端になっちゃって、そこいくとまた  共有できないみたいな...(再笑)。なんかすごいその人のラグジュアリ-なんだけど、  どっかでちょっとこうなんか一緒に共有できる、そういうものがあったら良かったかな。  あったのかもしれないけど、私としてはちょっとうまく見つけられなかった。







以上のコメントは、GEISAIチアマンの村上隆さんがパーソナリティを務めるラジオ番組『エフエム芸術道場』(土曜深夜3時~,FM東京)にてオンエアされたインタビューを聴き取ったものです。 実は、審査、けっこう意見は分かれたみたい。 内実を見ようとするアメリカ勢、意味よりも直感、おもしろさや驚きが重要な日本勢、 といったかんじに。でも結果はさくっと決まったそうです。ある共通の認識によってスムーズにいったらしい。それは「料理の鉄人」。.....アメリカでも有名だったとは。専門家がいて芸能人がいてそんでもって 真ん中ぐらいの人もいて、美味しいとか美味しくないとか言うあの名番組。GEISAI審査の形式は あれそっくり!じゃあ我々は「料理の鉄人」的に選んでみようじゃないか、ということで、 最終的にはみんな賛同できたのだそうです。  なお、審査結果、審査員プロフィールはGEISAI公式ウェブサイトにてご覧ください。





似顔絵クレイ .....YUKIくりえいと

編集 ......いしかわかずはる