|
淀川テクニック
木 元・バーベキュー用の網。 身長を越える大きな鉄製の作品であるが、一切溶接等の熱加工はされていない。 ニッパー等の小道具を使った手作業で曲げられ捻り組み合わされ、テグスによって 天井に吊るかたちで設置されていて、床面から少し浮いている。 大きいので淀川で一度制作し、解体して運び込み、再び会場にて組み立てられた。 網は、もちろん淀川河川敷にて入手されたものがほとんどだが、一部は 「あともうちょっと足らんなぁ~。」と、 設置作業中に会場から二子玉川まで (約5km) 歩き、見事に見付け、即使用されていた。 写真だと黒一色に見えるかもしれないが、実際には、黒~焦茶色の微妙なトーンがある。 これは、各部位の錆具合の違いによるものだ。 しかも、もう錆びているのに、仕上げに錆び止めが塗布されている。 いわく「錆びた次はもう、朽ちるので。」とのこと。
インコ(信号) 赤、青、黄色、色とりどりのゴミ。 とっても鮮やかだが、無着色。 プラスチック片など、わりと細かな物が集積して、羽の感じなんかけっこうリアル。 一方で、ゴミが只の部品になってしまわぬよう、気を付けているとのこと。 「こういうのが重要なんです。」と指差ししめされたのは、黒ずんぢゃったヒーローフィギュア。 確かに、ときには気持ち悪いくらいのゴミらしさがいきいきと生きている...。 尾羽の魚肉ソーセージの包装フィルムとか、頭頂部とか、ちょっとえぐいぜ。
にわとり(黄頭) 元・スニーカー(右足用)を基礎に作られた鶏。 スニーカーのカーブから生き物的動きが引き出されていて、 しかも、実際にそれだけで体重を支えている欠けた洗濯バサミの足もまた、軽やかな表情。 胸の羽毛や美しい尾羽、奇抜なトサカ、そして手前に置かれた石のような木の塊(「こういうのない かな~って歩いてたら、あ、あった!」と。ギャラリーの近所の公園で拾ってきた...。) が相まって、絵画的ですらあると思ったらやはり、 実は、伊藤若沖(鶏を描く事への異常な執念)へのリスペクトなんだそうです。
にわとり(赤頭) 元・スニーカー、スプレー、しゃもじ、 をはじめ、ご覧の通りの様々なゴミたち。 手の仕草や身体の動き、何気ない記憶が自ずと思い出される品々で構成される逸品。 生活感たっぷりである。 炊事洗濯ok、布団も干せるし身だしなみも整えられるし、お出かけもばっちり、 文武両道で尊敬出来る。ほんの一差しお醤油をつけてくれるところも気が利いてるねぃ。 ちなみに作者によると、 靴紐がくるくる~っと洗濯バサミを巻き付け最後にぴゅっと、鉤爪になってるところ、 「ここを見てほしい!」とのこと。さりげなく高度なローテクである。
「輪ゴム塾」 展覧会初日に行われた、淀テク柴田英昭によるパフォーマンス。 柴田を講師しとし、誰でも参加自由な、少人数対面制の塾。 講師の指導のもと「輪ゴムとより仲良くなる方法」を学ぶ。 受講後は、より以上に世界を愛して生きていけるような気持ちになる。 なんと、淀テク結成以前からあたためられてきたアイデアらしく、 淀テク創作の原点に触れられる、深イイ塾である。 ここでは詳しく語るより、体験することをお薦めしたいと思う。 (いつかきっとまたどこかに現れるはず...) 当日、「なにここ、酒臭い!」とのクレームが数件あったが、 これは、「講師は呑んだくれている」という厳格なコンセプトによるものであったことを、 明記しておく。 蘊蓄... 淀テク / 泰平 / いしかわ / 総括 写真... 淀テク / 泰平 / いしかわ / 総括 |